装丁家・製本士 中村重義
中村英夫の父、愼一の祖父にあたる中村重義の現存する作品の一部を紹介します。
■中村重義について
歴史小説「徳川家康」で知られる作家の『山岡荘八』氏から、製本、装丁に関わる機材を譲り受ける。
現・八丁堀駅近くの東京都中央区入船で製本会社を設立。
『坪内逍遥』『横光利一』『江戸川乱歩』等の装丁・製本を手がける。
竹の子の皮や布、原稿を埋め込んだ装丁など数多くの作家を唸らせ、「日本一の装丁家」と言わせしめた。
接着剤の不足の折りには、ムカデを使うなど工夫をしていた。
戦争による強制疎開で、入船を離れ、神奈川県の茅ヶ崎や平塚、鎌倉に住む。
戦後は、製本・装丁の仕事は再開しなかった。
入船在住時代には書物研究家・書物展望社『齋藤昌三』氏(中村英夫の名付け親)、夏がくれば思い出す…の「夏の思い出」「花の街」「花のまわりで」などで知られる作詞家『江間章子』女史とも交友関係があった。
茅ヶ崎在住時代に交友関係があったプロレスラーの『力道山』は訪れる度に、ビールをワンケース、空にして帰っていったという。
■作品集(全て手仕事・初版本や限定本など)